干潟の生き物

干潟(ひがた)は、海と陸の接点にあるので、非常に複雑で敏感な生態系をつくっています。また、定期的に海水が入ったり乾燥したりするため、変化が大きいのが特徴です。

生産者は主にアマモなどの海草で、この上にゴカイなどの底生動物、ハゼなどの魚、シギ・チドリなどの鳥がその上に来ます。そして、潮干狩りや漁業で人間は生き物を捕獲しているので、人間が生態系のもっとも上にきます。

干潟の生態系(せいたいけい)

海の近くの植物

マツ
海岸線の美しさを表すとき、白砂青松(はくしゃせいしょう)といわれます。白い砂と青々とした松(主にクロマツ)の美しい海岸の風景をいうものですが、これは長年かかって「防風」「防砂」「防潮」のために植えられたものです。

シャリンバイ
暖かい地方の海岸線に自生します。春に白い花が美しい低い木で、バラ科に属します。奄美大島では、特産の大島紬(つむぎ)の染色として、この木の根を使います。

ハマボウ
暖かい地方の干潟や汽水域に生え、夏に美しい花を咲かせますが、干潟が減っていることで各地で絶滅が心配されています。日本原産のハイビスカスとも呼ばれます。

ハマエンドウ
日本全国の海岸に生えます。春になると海岸一面に美しい紫色の花を咲かせます。

ハマヒルガオ
浜昼顔と書いた方がイメージがつかみやすい。5月頃、砂の海岸一面に美しく咲き誇っています。時には茎が砂に埋もれて花が直接砂から咲いているように見えることもあります。

干潟や海岸の生き物

干潟の潮が引くと、カニたちの天国です。あちこちの巣穴から出てきたカニたちは、干潟の砂泥をハサミですくって口にいれ、珪藻(けうそう)などのえさを食べます。残ったかすは砂団子にして干潟に捨てます。これらのおかげで海水の汚れがきれいになるので、海をきれいに保つのにとても大切な生き物です。

ハクセンシオマネキ
オスの片方のハサミが大きく、身体全体が白っぽい。宮崎の海岸ではよく見られます。干潟で、近づくとすぐ穴にもぐってしまいますが、じっとしていると、5分もしないうちに出てきます。

チゴガニ
干潟でよく見られる小さなカニで、ハクセンシオマネキより、やや水側にいます。求愛の時期はハサミを上下に振って、ダンスのように見えます。時には群れ全体でダンスをおどるようにハサミを上下します。

フトヘタナリ
環境省の準絶滅危惧種の3cmほどの巻き貝。宮崎の河口や干潟ではよく見られる。水に入ることをきらい、ヨシにのぼっていることも多い。

ヤドカリ
ヤドカリの仲間は、エビとカニの中間に位置する甲殻類(こうかくるい)で、多くのものはお腹の部分が弱いので、巻き貝の殻に身体を入れて守っています。成長して貝殻が体に合わなくなると、新しい貝殻をさがして引っ越しをします。また、大きなタラバガニもヤドカリの仲間だそうです。

トビハゼ
愛嬌のある顔や動作で、干潟の一番の人気者かもしれません。10cmほどの大きさで、潮が満ちてくると水上をピョンピョンジャンプして水際まで逃げます。トビハゼの名前は、こういう習性によります。有明海の有名なムツゴロウも同じ仲間です。

ユリカモメ
カモメの仲間は、海岸や河口でくらし、ウミネコやユリカモメ、コアジサシなどがいます。ユリカモメは冬羽根は頭が白く、4月ごろには夏羽になり、頭が黒くなります。

コアジサシ
小型でスマートなアジサシで、夏鳥として日本にわたってきて河川敷や小石の多い浜にコロニーをつくって繁殖します。

チュウシャクシギ
春と秋に日本にやってくる。下に大きく曲がったくちばしを持ち、泥の上や浅い水中を歩きながらカニなどをつかまえる。

イソシギ
浜辺や干潟には多くのシギの仲間が見られます。イソシギは川などでもよく見られる小型のシギで、尾を振りながら歩く姿が愛嬌があります。

ヒドリガモ
中型のカモで、河口や池、川で見られます。「ビューン」と鳴き、茶褐色の頭に額が白いので目立ちます。

マガモ
冬鳥として宮崎各地にやってきます。緑色の頭と首の白い線が目印。この光り輝く緑色から各地で「アオクビ」と呼ばれていました。

ミサゴ
大きいタカで、魚を食べます。トビに似ていますが、頭とお腹が白いので分かります。水面に急降下して魚を捕らえる姿が、宮崎では1年中見られます。